仕事しなさい!

2




外は蒸し暑かった。

7月の夜空は雑居ビルの間に狭く広がる。
私はそれでも夜空を見上げて深呼吸


人目につきたくないので、居酒屋横の路地に入る。

ふう。

自然とため息が出た。


須賀くんの姿が脳裏をちらつく。

耳だけじゃない。
目だって、気づけば彼を追っている。
どこにいても姿を探してしまう。

馬鹿みたい。
自分で離れたのに。


これほど苦しいなら、やっぱり異動の件は真剣に考えなきゃ……。
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