仕事しなさい!
納涼祭から二日。
須賀くんとはまるで会っていない。


水曜日、私は今日もI公園に躍りに行く。


今日はミシカの曲。
私の大好きなショーダンス。

パニエにレギンス、胸元の開いたキャミソールの背には羽の飾り。
私は一匹の蝶に変身する。


ダンスは好き。
私を別な世界に連れていってくれる。
誰のことも気にせず、この舞台で、
あたかもひとつの人生のように私は役を演じる。
短い美しい夢。



ダンスの途中から私の視界には彼が映っていた。


いつの間に来ていたのだろう。

彼は私を見ている。

じっと、深い愛を瞳に宿して。


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