仕事しなさい!
「マジっすか」


須賀くんがわかりやすく表情をひきつらせた。
きっと、彼の頭には西村くんの顔でも過っているのだろう。


「年下なんだ」


私は彼を横目で見ながら言う。


「結構イケメン。だけど、軽くて女好き。性格は直球勝負の肉食系で、趣味はセクハラ。キスはすっごく上手」


私がつらつら上げる項目を聞きながら、ひきつっていた須賀くんの表情が見る間に変わっていく。


「振り回されてもう散々っていっつも思うけど、気付いたら探してる。
ひどいこともされたけど、結局嫌いになれない。

長い間、女を忘れてた私を、大事に愛してくれたから」


須賀くんの目は見る間に見開かれ、噛み締めた唇が震えるのが見える。


そんな顔しなくたって、
……正解だよ。


私は夜空を見上げて呟いた。


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