仕事しなさい!
番外編1
あれから2ヶ月
「はいはーい、倫子さん、コーヒーだよー」
分厚い雑誌を眺める私の前にインスタントコーヒーのマグが置かれる。
私は彼を見上げ、微笑んだ。
「ありがと、渡」
名前で呼ぶようになって2ヶ月。まだ、ちょっと慣れないのは、社内では「須賀くん」って呼んでるせいだと思う。
渡は私の後ろにあるソフアに腰掛け、雑誌のページを一緒に眺めた。
「やっぱ、プリンセスラインかな」
私は後ろをちらっと見る。