仕事しなさい!
「倫子さーん、ごはんにしよー」


水曜日のハッピーウェンズデイも須賀くんがやってきたらハッピーじゃない。

しかも今日は、今夜の振り付けのおさらいしようと思ってたのに。


「お昼、二人きりっていいですよね」


私の気持ちを知ってか知らずか、須賀くんはいたって無邪気。


「あー、倫子さんのお弁当手作りじゃん!お願い!卵焼き一個ください!」


私がOKする前に人差し指で卵焼きを連れ去る須賀くん。

ああ、毎日しんどい。


「ねえ、自分のオフィスで食べたら?広報課は女の子がいっぱいいるじゃない。その子たちとお弁当にしなさいよ」


「えー、やですよ。彼女以外の女と食べてもおいしくないもん」


須賀くんはサンドイッチをパクパク食べながら言う。その他にどでかいカップラーメンがお湯を注がれて待機中。
すごい食欲。
やっぱ、若いわ、この子。
< 26 / 238 >

この作品をシェア

pagetop