仕事しなさい!
「今度、おうちデートしましょうよ!俺、ごはん作ってあげる。倫子さんのリクエストで何でも作るよ」


「や……ホント……そういうの……」


無理。
男の人をうちにあげるなんて無理。

こんな押せ押せ男、余計無理。

その時だ。


「おいおい、須賀ぁ。おまえ、飲み過ぎなんじゃねーかぁ?安斉さん困ってんぞ」


頭上から降ってきた声。
見上げると、営業一課の藤堂(とうどう)さんがいた。

社内イチのイケメン登場だ!
私より三つ上の34歳。
美人の同期さんと職場結婚して、今や一児のパパだけど、
男っ振りは私の入社当時から変わってない。

藤堂さんは弓枝ちゃんがいた席にどかっと座る。


「大丈夫?安斉さん。顔色、真っ白だよ。外の風に当たる?」


藤堂さんの優しい態度に緊張がゆるむ私。
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