仕事しなさい!
「ホント、うちの女子社員がみんな安斉さんみたいならよかったよ。仕事は早いし、清楚な美人だし」


は?
なんだろ、最近褒められること多いな。
モテ期ってやつかな?


「安斉さん一課に異動にならないかなぁ。俺、本気で部長に頼んでみようかな?」


「またまた、……お世辞言っても……何も出ませんから……」


まー、妻子持ちとチャラ男にモテてもしゃーないや。


「あ、でもホントお礼はしたいからさ!今度、ごはんおごらせてよ。安心して、薄給の俺がおごれるのって激安ランチくらいだし」


藤堂さんは妻子持ちの余裕なのか、もともとのイケメンパワーなのか、スマートに私を誘う。
どこかの誰かとは大違いだなぁ。


「あはは……、じゃあ激安ランチならお供します」


「おー、じゃあ来週の月曜、誘いに行くよ」


私たちがニコニコ笑い合っていると、背後からよく知った声がきこえてくる。
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