仕事しなさい!
「あの頃、俺2課で。みんなすっげー飲む人たちだったから、簡単に潰されちゃってさ。倫子さんが助けてくれたの、よく覚えてる。
路地で吐いてる俺の背中をさすってくれて、送ってくれて、俺が部屋に入るまで心配そうに見ててくれた」


だから、私を送ってくれてるわけだ。
なんだ、善意の恩返しに「早く帰りたい、離れたい」なんて思って悪かったかな……。


タクシーが停まる。須賀くんはさっとお金を払い、私を連れ出した。
あれ?
そういえば、うちの住所言ってないし、ここどこ?駅?

目の前にはネオン煌めくお城風の建物。

これって、
まさか……。


須賀くんが私を抱えるように中に入る。
狭いフロント。
微妙なタイル張りの内装。
部屋の空き状況がわかる電飾。


「ちょ……待って!何もしないのに、なんで……ホテルなんか入るの!?」
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