仕事しなさい!
「本番」はしないって、あっちも言ってる。
恋愛経験値が低すぎてスライムも倒せない私には、
彼の存在が経験値アップに役立つのは確か。
現にこの前のサッカー観戦は楽しかったし……。


そんなことを考えていると、オフィスのドアが開いた。


「倫子さん、お疲れ様です!」


「須賀くん……」


当の須賀くんがそこにいた。


私が残りの受注を入力してしまう間、須賀くんは隣のデスクでコーヒーを飲んでいた。

待っててくれなくていいと言ったけど、彼は聞かない。


「今日は一緒に帰るだけだから、いいじゃないですか」


私は仕方なく、キーボードを叩く作業に戻る。
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