仕事しなさい!
時間にして10分以上、私たちはキスの楽しみを共有した。
唇を離すと須賀くんがにやっと笑う。


「倫子さん、今すっごくエロい顔してますよ」


「え!?」


「倫子さん、真面目だからキスも真面目に学習しちゃったんですね。超よかったです。
やばいなぁ、俺、会社にいること一瞬忘れてました」


それは……私も忘れてた。
無我夢中っていうのかな。
とにかく目の前の欲求に飛び付いてしまった感じ。

……今頃、恥ずかしくなってきた。


「帰ろ」


私は赤い顔を隠すように伏せて、デスクから降りた。


「あ、あと5分待ってください」


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