仕事しなさい!
私はにやっと笑う。


「ダンスをなめるなよ、若造」


さっと背を向け、脚を開いて立ち、私はスタートポジションへ。


「ターンでポーズ。ここからエイトカウントだからね」


「え!ちょっと待ってくださいよ、倫子さん!」


「ワントゥースリーフォー、ファイブシックスセブンエイ。ほら、ここまで!」


私はちっとも待たず、どんどん振り付けを追加していく。
須賀くんがついてこれなくて、困って笑いだす。
私も笑った。

一通り踊ると、須賀くんが大仰に拍手。
それから、私に駆け寄りぎゅっと抱き締めてきた。
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