Chat tricolore  -三毛猫とライラック‐

それでも呼ばずには居られない。



「―――……紗…依……」



名前を呼んでその肉体が魂が僕の元に戻ってくれるのなら僕は何度でも呼ぼう。


いくらだって過ちを犯す。


けれど





何度呼んでもどんな過ちを犯しても彼女はもう戻らない。



目の前の彼女……朝都ちゃんが印象的な大きな目を上げて僕の頬にそっと触れた。


「店長に愛された人は幸せだったんですね。



でも私、紗依さんじゃない。




あなたは分かってる。



私が愛しい人じゃないことを」









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