曖昧
タイトル未編集
私は佐藤。別にこれといった名前ではない。

下の名前は・・・忘れた。興味がない。

今は部屋の掃除をしている。なんで昔の「私」はこんなに散らかしているのだろうか。

私はなぜこんなところに卒園アルバムをしまっているのだろうか。何年前のものだ?

卒園時は5~6歳であるから・・・もう11~12年くらい前のものか。

なぜこんな薄汚いものを部屋に置いているのか。

だからこんなにも散らかるというのに。

・・・何が書いてあるのだろうか。

・・・どうやら私は理沙というらしい。佐藤理沙。普通だ。

しかしこいつは誰だ?・・・私か。

私は昔の「私」が大嫌いだ。

トカゲやヘビより嫌いだ。大嫌いだ。

なぜ私は不特定多数の人間が閲覧するであろう卒園アルバムというものに

Q将来の夢は? Aお嫁さん!☆^^

と書いているのだろうか。・・・死ねばいいのに。

保護者からのメッセージであろう欄に

これからも元気いっぱいな子供に育ってね。

とかほざいてやがる。

私は親が嫌いだ。過去の私と同等くらいに。

なんでこいつらは私について知ったかぶりをするのか。

昔は○○だったのに。そんな子じゃなかったのに・・・

とかうるさい。死ね。

・・・部屋の片づけはこれらで一通り終わりか。疲れた。

私はこの土地が嫌いだ。夏は暑いし冬は寒い。

春はうるさいし秋は中途半端で嫌いだ。

それもこの日までだ。

私は明日から別の土地で新しい自分となる。

昔の「私」は嫌いだが未来の「私」は嫌いじゃない。

荷造りは終わった。・・・よく考えれば明日出発だから今日も過ごすのか。

20秒前の「私」死ね。これだから昔の「私」は嫌いなんだ。

まぁいい。この嫌な思い出しかないこの部屋との最後だ。

・・・・ありがとう。私の部屋。

そして・・・今ありがとうといった「私」死ね。
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