雨のち晴れ【短編】
「付き合ってるって…どういうことなんですか?私、振られたはずじゃ…」
自分で言っててむなしくなる。
結局私は振られてて。
なのに彼は私と付き合ってるなんて。
期待させてるの?
それとも私、自惚れてもいいですか?
「うん、俺ようやく自分の気持ちに気づいたんだ。梨紗ちゃんへの気持ちに。」
「えっ?」
「好き…なんだ。一緒にいるとほっとして。梨紗ちゃんが笑うと幸せになって。梨紗ちゃんの喜ぶ顔が見たくて。梨紗ちゃんに好きって言われた時は戸惑った。正直言うと、恋愛対象としてみてなかったから。でも、なんかすっごい嬉しくて。梨紗ちゃんを見るたびドキドキしたし他の男と話してんの見るのもなんか嫌だった。」
「先輩…嘘でしょ??」
夢か現実だかよくわかんない。
だってこんなに幸せなことってある?
好きな人が。憧れの人が。
自分のことを好きだなんて。
「本当だよ。俺、頼りなくて。さっきもなかなか梨紗ちゃんのこと助けてあげられなくて。本当は女の子相手なのに怖かったし。バスケだってうまくな「そんなことないっ!!!!先輩はいつだって優しくて、かっこよくて、努力家で、誠実です!人を思いやる気持ちは一番です!さっきの人だって先輩今ちょっと気にかけてる。悪口言わないし、あの女の先輩が帰ったときだって先輩はやりすぎだったかなって顔してましたね?」
「なんで…わかったのさ。」
ちょっと焦ったように言う先輩。
不意打ちってこういうことなのかな?
また私だけもっともっと好きになっちゃう。
「わかりますよ。先輩優しいから…。」