雨のち晴れ【短編】
「優しくなんてないよ。」
「何言ってんですか!先輩は優しいです!」
いたずらっ子のような笑顔を見せる私。
げっ、今の顔は可愛くなかったかな!?
「また俺だけ…。」
「え?何て言いました??」
きもっとかじゃないよね!?
「いやー敬語やめてほしいかなって思ってさー!愛されてないみた~い。」
にやりと笑いながら言う先輩。
「そんな!愛してますー!!」
「ほら、敬語!」
「あー、もう先輩って本当に先輩なんですか!?大人げないなぁー!」
「し、知らなかったの?」
「ん?なんで焦ってるんで…むぅーなんで焦ってんの??」
また敬語を使おうとしたらそっぽをむく先輩。
仕方ない!敬語はやめよう。
「秘密ー」
「え!?秘密禁止~!」
「いや、梨紗!!ってさぁー」
「なっ!?」
これも不意打ち。
「梨紗って大人な人が好き?」
「えっ!?えっとーまぁ、そ、そうなのかなっ!?」
質問なんてよくわかんない。
呼び捨てだけが頭の中でこだまする。
「ふーーーん。」
「えぇーなんなんだよ~!」
興味のないような先輩の返事に軽く先輩の肩をたたく。
するとぎゅっと抱きしめられた。
「せっ、先輩!?」
「俺ばっかり好きになる。」
「はいっ!?」