俺様常務とシンデレラ
「……常務ってまさか、妄想とか激しくできちゃうタイプですか?」
「はあ? 何をわけのわからんこと言ってんだ」
ビクビクしながら尋ねた私に、常務の呆れたような声が返ってくる。
くっ……そうか。
妄想で予行練習してるんじゃないなら、これはもう、天性の才能としか思えない。
そうしているうちに常務は私の服をするすると剥いて、呆気なく下着姿にしてしまった。
ベッドの下に次々と服が重なり、その上に常務が自分のスーツをだらしなく放った。
反射的に身体を隠そうとする私の手首を優しく掴んで、手のひらにキスを落とす。
片方ずつ、ゆっくりと顔の横に縫い止められる。
常務の熱っぽい視線に身体の芯が震え、いたたまれなくなって顔を逸らした。
私今、絶対リンゴみたいになってる。
涙目で顔を真っ赤にする私を見下ろして、常務が意地悪く笑っている。
「あの……でも、やっぱ、ベッドとか小さいし……」
「床でする?」
「えっ、いや、あの、その……」
常務の甘い毒に犯され、身体はもう常務の熱に触れたくて仕方ないのに、気恥ずかしさが抜けなくて気を逸らすようなことを言ってしまう。
だって、自分の部屋だし、電気ついてるし、帰って早々にこんなこと……。
そんな状況なのに、こんなに常務を求めていることを知られたら、はしたないと思われないだろうか。