俺様常務とシンデレラ
手首を押さえられているせいで、恥ずかしさで赤くなった頬も、こみ上げる涙も、隠す術がない。
常務は組み敷かれた私が自分の下でぶるぶると震えるのを見て、一瞬、とても優しい眼差しで私を見つめた。
だけどその黒い瞳はすぐにかまぼこのような形でニヤリと笑い、私をからかうように、噛み締めた唇をペロリと舐めた。
「心配すんな。お前が落ちない程度に激しくする」
「しっ、心配ですーーー!」
な、なな、なんですかその危険な宣言!
あたふたする私を見て、常務は上機嫌に喉を鳴らして笑っている。
それから私の手首を放したかと思うと、2本の力強い腕で、ぎゅーっと私を抱きしめた。
「俺、お前から目ぇ離せそうにない。可愛くて仕方ない」
「くっ……」
なんなの、なんなの、なんなの!?
今日の常務はおかしい!
これはいったい"何モード"なの!?
常務にきつく抱きしめられ、もうすでにお手上げ状態の私。
常務はそんな私の身体をさらに火照らせ、少しずつふわふわと風船のように浮かせていく。
指先や唇や大きな手のひらが、その膨らみをつつき、揺らし、気を抜けばすぐにでも弾けてしまいそう。