俺様常務とシンデレラ



* * *



「いいぞ、だいぶ上手くなった……。俺の、いいとこっ……わかってきたじゃねえか……」


男の人のくせに、妙に掠れたセクシーな声で理久さんが囁く。


「ふっ……んんっ……」

「なんだ、もう疲れたのか? あいつはお前にこういうことさせないのか?」


ふかふかのベッドの上に横たわる理久さんは、彼の足元でもぞもぞと動く私に優雅に問う。


「常務は……くっ……こんなこと、させません……!」

「ふん、そうか。……おい、今度は強すぎだ」


むきーっ!

こんなことさせておいて尊大に注文まで付けてくるなんて、ワガママな王様!


私は、ごく丁寧に、絶妙な力加減で触れるようにと指導された手の中のものに、無性に食らいついてやりたい気分になった。



「……くそっ、やっぱ下手くそだなお前。もっと気持ち良くさせろよ」


常務のためになんでもやろうと覚悟したはずの私だけど、この言葉にはついに堪忍袋の緒が切れた!


くそーーー!

私だってこんな慣れないこと、一生懸命やってるのに!
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