俺様常務とシンデレラ
よくわからないムシャクシャに突き動かされ、私がその衝動のままに掴んだ両足首をぐわっと広げて持ち上げると、バランスを崩した理久さんがベッドの上に肘を付く。
「おい、やめろ変態! いますぐその手を放さないと本当にカラダで支払わせるぞ!」
「変態はどっちですか! いちいちいかがわしい言い方して!」
「うるさい! 俺のどこがいかがわしいんだよ!」
「だいたい、あなたはあのパーティーの夜だって意味もなくわたしを……!」
私は理久さんとぎゃーぎゃーと言い合いながらも彼に捕まえられないように暴れたけど、本気を出されたら敵わない。
気が付けば手首を強く掴まれ、もう片方の手は私の腰にまわり、両方を一気に強く引かれる。
ふかふかとしたベッドに背中が沈み、なんとか逃れようとすると、両手首をガシッと拘束された。
理久さんはそれらをひとまとめにして、片手で私の頭の上に押さえ込む。
それでもなお暴れる両足の上に馬乗りになり、ものの3秒で私の動きを封じてしまった。
「せっかくこちらが穏便に済ましてやろうとしてるのに、お前ってやつは……!」
「んむっ」
理久さんは片方の眉をピクピクさせながら、あいていた手で私の頬を掴んで視線を合わせる。