俺様常務とシンデレラ
おまけ
舞踏会の夜、王子様のお城にて。
* * *
私はお城にある寝室の窓辺に立ち、家々に灯る明かりを見下ろした。
大きな窓ガラスに、そっと手を添える。
「ああ、なんて素敵なお城なんでしょう。いつかこんなお城に住んでみたいと、夢に見ていました。ですが、もうこの先何事をも望みはしません。私は幸せなのです。大和王子の側にいられるだけで……なんちゃって!」
きゃうーん!
ああ、どうしよう!
幸せすぎてふわふわ浮いてるみたい!
「……アホかお前は。恥ずかしくないのかよ」
私と大和さんはアジュールでのオープニングセレモニーを抜け出し、夏目さんの運転する車(馬車)で大和さんのマンション(王子様のお城)へ帰って来た。
マンションへ着いた頃には辺りは薄暗くなり、ふたりの足は自然とこの寝室へ向かっていた。
私はお姫さまのようなベルラインドレスを着ていて、左足首にはリボンのモチーフのアンクレットが揺れている。
隣を見上げればタキシードを着た、大好きな大和さん。