俺様常務とシンデレラ
ぽかーんと口を開けて見上げつつ、きっと私の頬は赤くなっている。
だって、いつもはあっさりしてる大和さんが、そんなふうにヤキモチを妬いてくれるなんて。
そして、それをストレートに伝えてくれることが、すごくすごく嬉しい。
大和さんは自分の腕の中で、感動と照れでぷるぷる震える私を見下ろして、一瞬きょとんとする。
私がどうして喜んでるのか、たぶんわかっていないんだろうなあ。
それから口の端を歪めてニヤリと笑い、キラーンと効果音が付きそうなほど不敵な笑みで私を見てから、一気に広いベッドに押し倒した。
「え!」
突然身体を沈められてあたふたする。
そりゃ、この部屋へ来たからには覚悟はできてますけど!
なぜこのタイミング!?
大和さんは漆黒の瞳をかまぼこのような形にして、ニンマリといやらしい顔をする。
「絵未王女。あんたは俺のもんだって、嫌と言うとほど教えてやるよ」
そう言って、まるで誰かのものになってしまった私を取り返そうとするみたいに、噛み付くように唇を重ねた。
ぴぎゃー!
意外とノリノリかよ!
私は心の中でこっそりツッコミを入れてから、甘く激しいキスに身を委ねる。
午前0時を過ぎても、鐘の音が響こうとも、ふたりの魔法はきっと解けない。