俺様常務とシンデレラ
もう!
はじめたのも、理久さんの話を持ち出したのも、どっちも自分のくせに!
このヤキモチ妬き!
心の中で文句を言ってみたけど、私の両腕はもう大和さんを求めていて、彼の背中にしがみついている。
小さく引き寄せてみれば、深くて優しいキスをくれる。
意地悪で、甘い言葉なんて言ってくれないくせに、実はちょっとヤキモチ妬きで。
だけどそれを認めようとしない、ちょっぴり頑固な私の王子様。
わがままなところも、子どもっぽいところも、たまには不安になったりするところも。
もっともっと、見せていて。
かっこわるいところだって、誰よりも好きでいたいから。
たとえそこに魔法がなくても、あなたとなら、もう大丈夫。
揺れる漆黒の瞳は、今夜も私を捕らえて離さない。