Melty Kiss
Melty Kiss
授業を終えて放課後。
おやつを兼ねた女子会は、大抵ファストフード店で行われる。
シェイクとポテトを傍らに、恋話するのがお決まりだ。
テーブルの真ん中を陣取るポテトを突っつきながら、あたしは赤裸々な恋愛トークに耳を傾けていた。
「杏樹はどうなの~?彼氏と!」
「…へ?」
急に話題があたしに振られて、ポテトをくわえながらきょとん顔を皆に向ける。
「そういえば、杏樹って恋話入って来ないよねぇ?」
「杏樹の彼氏って、年上じゃなかったっけ?」
「うっそまじで!?何歳!?何してる人!?」
「25のサラリーマン…」
マシンガントークの勢いに圧倒されながらも、答えるあたし。
「ひゃーっ年の差恋愛ってやつ!?」
「いーな~…本当にあるんだね、そういうの!」
「年上の彼氏ってことはさ~、甘々でラブラブ?」
「いや~…どうだろ、浩ちゃんそういうの苦手みたいだし…」
大好きな恋人を頭に浮かべながら、呟く。
「浩ちゃんだって!」
呼び名をピックアップして、騒ぎ始める友達。
「え、呼び名気になる?」
「いーよ"浩ちゃん"!年下彼女っぽい!」
うーん。
よく分かんないけど…
喜んでるからいっか。
あたしはシェイクのストローをくわえる。
浩ちゃんに会いたくなってきたな。
今日、夜約束してるけど。
早く会いたいな。
あとで電話してみようかな…
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