胡蝶蘭
「悪かった。」
回想に浸っているといきなり
訪れた謝罪の言葉。
そして視界には頭を下げる男。
「一般人のお前まで巻き込んでしまった。
本当に申し訳ない。」
そういって、
今回の事件をぽつりぽつりと語り出した。
ちょっとした仲間のパーティーからの
帰り道に、あの男たちに
追いかけられてることに気がついたこと。
思いの外向こうの運転もうまく
おまけに雨だったために振り切ることができず
ずっとカーチェイスをしていたこと。
そしたら車がすべり、お店に突っ込んでしまったこと。
そして
「わりぃが、手術させたりしなきゃ
ならなかったからお前の家調べさせてもらった。
お前の婆ちゃんにはもう連絡済みだ。
さっきまでいたんだが店があるっつって
さっき帰っていった。」
と告げた。
『両親には…』
恐る恐る聞くあたしに
「婆ちゃんが伝えとくそうだ。」
と、あっさりばっさり告げた。