私の片割れが隣の片割れに盗られた次の日、私はもう1人の片割れに告られた。



『じゃあ明日な』


そう言うと蒼は立ち上がって部屋を出た。


寂しいような気も、しないでもなくない。


『良かったね、志穂』


「え、うん…………………」


『志穂も彼女か~』


ニコッと笑って志乃は私を見た。


『相談、乗るからね』


そう言って、志乃も部屋を出た。


「ありがと…」


私のそんな言葉は志乃には聞こえてない。


< 108 / 186 >

この作品をシェア

pagetop