風を切る君
微かに気づいた
「すーずーは!」
「きゃっ!びっくりしたー!」
クラスメイトの明日香が
いきなり私の背中を
どついてきた。少しだけ
ジンジンする。
明日香がお昼たべよ!というから
二人で机をくっつけて
食べることにした。
「ねえ、鈴波は好きな人いないの?」
恋ばなの苦手な私には
好きな人って言葉に
過激に反応してしまう。
「す、好きな人!?いいいないよ!」
「いないってゆーか、わかんないんじゃないの?」
「うーん、好きって感情がわかんない」
そういった私をみて、はぁ…と
ため息をついて右手で頭を押さえた。
「せっかく、整った顔してんのにもったいないよ」
「ええ!?」
全然整ってないよ
実際にもてないし!!
「いーい?鈴波。好きっていうのは、その人を見ると胸がきゅーってしたり、ドキドキしたり、誰よりもかっこよくて可愛くみえちゃうことだよ!」
私の目を見て真剣に教えてくれた
明日香。
明日香が今、本気で好きな人が
いるのがわかった。
「んー?」
「ほら!誰かのこと想像してみて」
私は言われるがまま
頭のなかで誰があてはまるか
考えてみた。
胸がきゅーっとして…
ドキドキして…
誰よりもかっこよくて
可愛くみえる人…
「//////!!!!!」
思い出した。
そうだ、私はあいつのことを見ると
胸がきゅーってした。
ドキドキした。
かっこいいな。可愛いいなって思った。
隼羽修沙に。