風を切る君
「そういえばさ、お前知ってる?」
「知らなーい」
主語がないとなにもわからないから
わざと知らなーいと言ってみた。
すると、隼くんはぷくぅと
ほっぺを膨らませた。
「じゃあいいやー」
「ええ!?ごめんごめん!!」
まさか、いじけるなんて
思わなかったから私はあわてて
隼くんに手を合わせて謝った。
「よかろう!俺らのクラスに
また転校生くるんだとさ」
「ええ!?ほんとに?」
「しかも男!」
一クラスに二人も転校生なんて…
八クラスもあるのに
珍しいこともあるんだなーなんて
思いながら隼くんと話して
今日は帰った。