運命の二人~白と黒の物語~
うずくまり、顔に手を当てて泣きじゃくる凛々を見つけて、ジャスティスは我に返った。


リリー・ルゥ。
泣かないで。私が側にいる。


凛々にそっと近づき、肩に手をかけた途端、
「触らないで!!」
とパシッと手を払われた。


ジャスティスは驚いて、叩かれた手を引っ込めるのさえ忘れてその場で動きを止めた。


今度は凛々がはっとして我に返る。


「ご、ごめんなさい。」

「いや。いいんだ。」

ジャスティスはゆっくりと手を引っ込め、凛々の側に膝まずいた。



「大丈夫か?」

「ごめんなさい。色々思い出しちゃって。」


涙が止まらない。


言葉に詰まって何も言えなくなった。


俯いていると頭にそっと手を置く感触があった。

ジャスティスは何も言わず頭を撫でていた。





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