運命の二人~白と黒の物語~
「はあ…。今、私が教えているステップは“基本のものだけ”なんですが。」


私はすみません、と小さく言った。


「はあ…。これ以上は無理ですね。本日はここまでとしましょう。」


「…ありがとうございました。」


服の端を持って軽く膝を曲げた。


これもバルゴに言われたこと。


“普段から礼儀を重んじるように”


ここでの生活が急に堅苦しくなった。


「はああ…。」


私のほうがよっぽど溜め息よ!


こんなときは。

「タロに会いに行こっと。」

凛々は部屋から飛び出した。


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