運命の二人~白と黒の物語~
思いきり泣いたので、気持ちが落ち着いた。


「ありがとう。もう大丈夫。」

凛々はそっとジャスティスの胸を押した。


ジャスティスは凛々に回した腕を離さずに聞いた。

「バルゴの授業はやめるように私から話すから。」

「違うの。」
「え?」


「何かを覚えることが嫌なんじゃないの。」


凛々はジャスティスに目を会わせた。


「この国の事を知るのは嫌いじゃないよ。バルゴは良い先生だよ。分かりやすいし。
ただ、ダンスだけ。あれだけは嫌。」


「本当に?それだけ?」

ジャスティスは念を押すように凛々を見た。


「本当よ。ダンスはお互いが嫌いだとうまくいかないよね。」

凛々は、はは!と笑って見せた。


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