運命の二人~白と黒の物語~
「では、お相手願えますか?リリー·ルゥ嬢。」

ジャスティスが恭しく頭を下げて、手を差し出す。

凛々はクスリと笑って、膝を曲げ、軽く会釈した。

「喜んで。ジャスティス様。」


ゆっくりと名前を言って手を差し出した。


ジャスティスの手を取ったとたん、身体がフワリと浮いた気がした。


う…わあ。
背中に羽が生えたみたい。


ジャスティスのリードは巧みで、踊っているというより、雲の上も歩けそうな位、フワリフワリと身体が軽い。


いつもはあれほど間違えてしまうステップも、難なくこなせる。


「上手いじゃないか。」
ジャスティスが躍りながら言う。


「違うよ。ジェットが上手だから。」


凛々は自然と笑みが溢れてきた。


ジャスティスも微笑んでいる。


二人は時間も忘れて暫く踊っていた。


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