運命の二人~白と黒の物語~
これで良いのかもしれない。


以前のリリー・ルゥが私に笑いかける事などないだろうから。


それに。


私達にはそれほど時間は残されていない。


バルゴやレスターの言うように、世界の終わりは近い。


私は無理矢理でなく、彼女を手にしたい。
君の心が欲しい。愛が欲しいんだ。



今のように私に笑顔を向けて、優しく呼びかけて欲しい。


「ジェット。」


偶然にも、高揚して赤みのさした頬に、潤んだ瞳で名前を呼ばれてドキリとした。


胸がざわざわする。


こんな事は初めてだ。
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