運命の二人~白と黒の物語~
でも、彼女に会って考えが変わってきた。


目の前にいるリリー·ルゥは、自分の知っているリリー·ルゥと全くと言っていいほどに違う。


でも、本当の彼女を知っていたと言えるだろうか。


避けられていたこともあるが、彼女と本気で向き合って話した記憶はない。


昔の記憶だけで判断していなかったか?
結婚したらどうにかなると思っていなかったか?

そんなふうに接していた自分を、リリー·ルゥはどう思っていただろう。


自分が感じていたのと同じように、心を冷たい色に染めていったのではないのだろうか。


だから地上界へ。



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