運命の二人~白と黒の物語~
リリー・ルゥの顔は、鏡で見慣れていたはずだった。

なのに、目の前にいる女性を私は知らない。


この人の醸し出す空気は人を威圧する。
例えるなら深紅に燃える炎。
深紅の瞳で凛々を見据えている。
人を近づけさせない、でも惹き付けられる女王のオーラを持っていた。


凛々は口を開くことも出来ずに見つめていた。


綺麗な人。


そんな事を考えている自分が不思議だった。


「凛々。」

凛とした、よく響く声で話しかけてきた。


(私のこと、凛々ってよぶのね)
そんな事を気にしている。


「凛々。よく聞いて欲しいの。彼に…ジャスティスに心を許しては駄目。」


凛々は何を言われたのか分からなかった。


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