運命の二人~白と黒の物語~
「もう!時間が少ないのよ。しっかりして。」


リリー・ルゥが容赦なく詰め寄ってくる。


(やっぱり、この人のこと好きになれない)


凛々はノロノロと起き上がると、「何?」と聞いた


「この前の話。覚えてる?私が証拠を見せるといったこと。」


凛々はすっかり忘れていた。
そうだった。ジェットが悪魔の証拠を見せるとかどうとか言ってた。


「覚えてるよ。(ホントは、忘れてたけど)ジェットが悪魔だって話だよね。」
凛々が興味なさそうに横を向いて答えると
「…なあに、その態度は。凛々、よく聞いて。貴女、地球に帰れなくなるわ。…いいえ。それは正確ではないわ。帰っても誰もいなくなるのよ。」

「…どう言うこと?」
思わずリリーに詰め寄る。


「やっぱり重要な事は何ひとつ知らされてないのね。あの、卑怯な連中は!」


およそ、高貴な人とは思えない台詞をリリー・ルゥは言った。


「凛々。説明するわ。よく聞いてね。」


それからのリリー・ルゥの話は凛々の知らない事実ばかりだった。

< 188 / 453 >

この作品をシェア

pagetop