運命の二人~白と黒の物語~
(誰?私の事を知ってるの?全く記憶にないわ)


「…あの。どこかでお会いしましたでしょうか?」


凛々が小さい声で聞くと
「随分だな。リリー・ルゥ。血が繋がらないとはいえ、兄を忘れるとは。」

と相変わらずの怖い顔で吐き捨てるように言った。


(兄?!初耳だよ!えー???知らないし!)


凛々は不躾にもジロジロ見てしまった。どれだけ見ても記憶に全くない。

「すみません。私、ここでの生活は記憶になくて…思い出せなくて…ごめんなさい。」


凛々は兄と名乗る人物に頭を下げた。




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