運命の二人~白と黒の物語~
「ふん。ジャスティスが話していた事は嘘ではなかった訳だ。どうりで。オドオドして、冴えないのはそのせいか。」


天上球が高い位置にあるせいで、高飛車な態度が益々、悪意のこもったものとなって伝わってきた。


(嫌みな所はリリー・ルゥにそっくり!絶対好きになれないタイプだよ。)
凛々は身体が震えるほど怒りが増してきていたが、リリー・ルゥの性格を思いだし、口答えはせず黙っていた。


「だんまりか。見た目は変わっても中身は一緒だな。」
相手は挑発をやめない。

「…お名前を教えて頂いてもよろしいでしょうか。」


あくまでも冷静さを失わないように努力しながら凛々が訊ねた。


「…レスター・ゴードンだ。」
さも教えたくない口振りで名乗った。


「私はお前と無駄話をしにきた訳じゃない。お前は使命をいつ果たす気か聞きたい。」


「使命?」


「全く面倒この上ない。よくそんなに都合よく忘れられるな。まさか、話を聞いていない訳ではないだろう?国の命運がかかっているんだぞ。」

レスターは呆れ顔を隠しもせず言った。


「国の命運?」
凛々は訳が分からず、ただレスターの台詞をおうむ返しするばかりだった。






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