運命の二人~白と黒の物語~
「先程もお話し致しましたが、いくら責められても、私には記憶がないのです。もし、何か話があれば、どういう経緯があるのかお話し下さい。」
凛々は視線を外さず、坦々と語った。


レスターはまじまじと凛々を見た。


(この私を気迫で押すなど、この娘、本当にリリー・ルゥなのか?こんな事はジャスティス以外にはなかったのに。)


凛々は黙って、視線を外さずレスターを見ている。


根負けしたのはレスターだった。


ふいと顔を背け、「もういい、分かった。」と呟いた。


「では、話そう。何から言えばいいかな。契約の神の話は知っているか?…そうか。長い話になる。そこの椅子にかけなさい。」


促されて凛々は近くの椅子に腰をおろした。


先程とはうって替わり、優しく説くような話し方になっていた。



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