運命の二人~白と黒の物語~
「契約の神のもと、お前とジャスティスが婚姻相手と定められているのはすでに知っているな?」

凛々はコクンと頷いた。

「誕生の時に、互いの眼の色と同じ色の石を持って生まれたって。」


「その通りだ。出生は家柄とは関係ない。私の家は代々天上界を統べる家柄だが、リリー・ルゥは違う。父親は農業を営み、母親は民宿の女主人だ。最初、私達はリリー・ルゥの存在を知らなかった。母親は生まれた子どもが手に石を握っていた事を隠して二人で逃げてしまったからだ。
しかし、リリーが生まれたと同時に魔界も皇子が誕生するため、二人のことはすぐに暴かれてしまった。
父親の証言のもと、逃げた女性を探して、二人の存在に行き着いたが見つけるまでに三年もの時間がたってしまっていた。」


ここまで話すとレスターは一息ついた。


「どうしてそんなに長い時間かかったの?」


凛々はバルゴに教えてもらった知識を思い出し考えた。





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