運命の二人～白と黒の物語～

もう、もう限界。


「私はリリー･ルゥじゃない！私の名前は山下凛々よ！リリーの記憶なんてない！！」


キッと前を向いてジャスティスを見据える。


「全てはあなたのせいよ。あなたが私をここに連れて来なければ、私は幸せでいられたのに！」


涙がぽろぽろ出てくる。溢れた感情は止まらず、ジャスティスに投げつける。


「あなたのせいでタロは死んで。一年で地球に戻すって、約束したけど、あなたは私に地球と魔界の時間の流れの違いを教えてくれなかった！ここでの一年は地球の十年。もし私が戻っても、私の生活は戻らない。何故言ってくれなかったの？国の為に結婚しなきゃいけないから？
ジェットは真実を一度も言わなかった！もうあなたの事は信じない！」


肩でハアハアと息をしながら、凛々は思いの全てを吐き出した。