運命の二人~白と黒の物語~
「殿下!こちらにいましたか。探しましたよ!」

カツカツと靴音を響かせ、バルゴがやって来た。
まだかなり遠くにいるはずなのに、渡り廊下に声が響き、静寂は破られた。


凛々は一瞬で現実の世界に戻された。


(私は何やってるのよ!)

急いでジャスティスからグイ!と身体を離すと、驚いた顔のジャスティスと目が合った。
カアッと顔が赤くなる。

「これはその…あの…どうかしてて…ご免なさい!」


ジャスティスが何か言うより早く、凛々はジャスティスの腕の中からするりと逃げ出した。
(もうジェットの顔が見れないよ)


逃げたい。逃げたい。



「凛々、待ってくれ!」
ジャスティスが凛々の腕を掴もうとした時には凛々はスーっと消えてしまった。



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