運命の二人~白と黒の物語~
「恐れながら、殿下。」
ジャスティスの白昼夢を壊したのはまたもや、バルゴだった。


「…なんだ。」
視線も合わせず、素っ気なく返事をした。


バルゴはため息をつき、泣きそうな顔をしながら、主に話しかけた。


「先日より私がかっている、ご不況の理由をお教え願いたいのですが。」

ジャスティスは答えない。


「ジャスティス殿下。お願い致します!このように一週間もストライキをされては、政務が滞ってきております。私が何か失態をしでかしたなら、甘んじて罰を受けます。どうか、仰って下さい!」


最後は悲鳴に近かった。長年仕えた主にこんな態度を取られた事がなく、どうしたらいいのかバルゴは途方にくれていた。



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