運命の二人～白と黒の物語～

朝食は殆ど喉を通らなかった。


マーサに案内されて、訓練場に着いた。
ジャスティスはまだのようで、辺りはサワサワと草のなびく音だけが聞こえてくる。


(こんな所で何するんだろ。服装もなんだかラフな感じだし。)


今日は珍しくマーサは裾のゆったりしたパンツを選んでくれた。


(そう言えばここって道に迷った所だっけ。違う池に行っちゃって、それでジェットに見つけてもらって…)


周りを見渡しながら色んな事が思い出された。


「遅れて済まない。」


後ろからの突然の声に体がビクンと震えた。


ソロソロと後ろを振り返ると、ジャスティスがバルゴと一緒に何かを引き連れてこちらに向かってくる所だった。


凛々はジャスティスの事を考えていたから、心の中を覗かれたようで、ドキドキが止まらなかった。
ジャスティスの後ろに大きな動物がいる。


何だろあの動物は？


連れてきたものに興味が湧いて、ついいつものようにジャスティスに話しかけていた。


「ジェット！その動物はなあに？」