運命の二人~白と黒の物語~
ウルフファングに股がってみると、思ったより背が高く怖くなった。


すると妖獣は顔を凛々の方へ向けてグルグルと喉を鳴らした。


それは大丈夫ですよ、安心してくださいと言っているように見えた。


(分かった!お願いね)
と優しく首筋を撫でると、また嬉しそうにグルグル言った。


「少し走らせてみよう。」とジャスティスが声をかけ、走らせると、後を追うように凛々の妖獣も走り出した。


気持ちいい!
走っているのに全く揺れず風を感じる。
凄い爽快感だ。


ジャスティスが振りむき、にっこりとした。


凛々と同じ気持ちだと分かる。


…ホントに優しい人。


この前の事であんなに酷い態度をとったのに、責めるどころか、いつも気にかけてくれる。


その時、ジャスティスのウルフファングが空へ駆け出した。凛々のウルフファングも後を追う。


「お前、飛べるの?」


ウォン!



ジャスティスが近づいてきた。
「どうだ?気に入ったか?」


「もちろん!空まで飛べるんだね。ビックリしちゃった。」


「良かった。
…これからもこうして時々二人で遠乗りしないか?」


「うん!私もいろんな所を見てみたい。」


凛々が快活に答えると、ジャスティスは「ああ、約束だぞ。」
と答えて前を向いた。


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