運命の二人~白と黒の物語~
一度、クレイとの散歩中に迂闊にも結界に触れた事があった。


クレイが一定の場所から前に進まないので、不思議に思って目を凝らすと細い、糸のような物が空に描かれていた。


(何だろ?この網みたいなものは?)


触れた途端、身体に電気が走ったようになった。

「きゃっ。」


慌てて手を引っ込めたが、指先がジンジンする。

「いったぁ。」


手をさすっていると後ろからうるさいほどの羽音が聞こえた。


バサッバサッバサッ
羽音の前頭にバルゴがいて、戦闘モードの兵士達を制し、凛々達を呆れ顔で見ていた。



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