運命の二人~白と黒の物語~
凛々は頬にザラザラした感触を感じ、パッと目を開けた。


置いてきたはずのクレイが、凛々を守るように上から覆い被さり、ペロペロと舐めていた。


「クレイ。ごめんね、心配かけて。大丈夫だから。」


凛々はゆっくりと起き上がった。


気づけば霧はますます濃くなり、2メートル位しか先が見えなかった。


ここは凛々の記憶の森とは余りにもかけ離れていた。


(やっぱり直ぐには入れない所だったんだ。あれだけ繰り返し見てたんだから、きっとすぐ分かると思ってたのに。)


凛々はガッカリした。


(もう帰ろう)


そう思ってクレイに乗ろうとしたとき、異変に気づいた。



< 274 / 453 >

この作品をシェア

pagetop