運命の二人～白と黒の物語～

「どうしたんだ？座ったらいい。」

ソファーの端に肩肘を置いて、顎を乗せると顔を傾かせてクスクスと笑っている。

「こんな楽しい気持ちは久しぶりだ。会えて嬉しいよ、リリー･ルゥ。」


その呼び名を聞いて怒りが湧き、少し力がでた。


「わた、しは、リリーじゃ、な、い。私の名前は…山下…凛々よ…」

はぁはぁ。

息をする。
自分が呼吸出来る事を思い出せた。


ハッハッハッハッ。
酸素を求め過ぎて呼吸が荒くなる。
クラリときて、その場に座り込んでしまった。



「何をしているんだ。ここに座ればいいのに。」

と自分の隣に手まねいた。

「い、やよ。」
自分を抱きしめるように手を回した。
カタカタと震えが止まらない。

「つれないな。やっと会えたと言うのに。」
青年は悲しそうな声色で言いながらも、瞳は笑っている。

「私は、あなたなんか知らない！！」

凛々は叫んでいた。