運命の二人~白と黒の物語~
ああ、そう。
何だかわかる、その気持ち。


「分かるだろう?僕らはお互いに誰かといたいって思ってる。」


「僕が色々なものに生まれ変わっても、凛々はいつも側にいてくれたよね。」


そう。タロが何に生まれ変わっても平気だった。私達は強い絆があるから。いつもそう感じてた。

そして不思議に感じた。

「ねえ、私はタロと同じものに生まれた事はあるの?」


「ないよ。」


タロは事も無げに言った。


「…そんな私が嫌じゃなかった?」


好きな相手なら、同じものになってもいいのに。小さな罪悪感を感じて、凛々は聞いた。


魂は暫く黙っていたが、やがて答えた。


「凛々。君に教えておこう。僕達、地上界にすむものはこの三つからなる世界の中で、もっとも短命で輪廻天性を繰り返している。力だって持たない。
でもね、運命を自分で決める事が出来るのは我々だけなんだ。
それが我らの誇り。
それは何人たりとも踏み込むことは出来ない。
分かるかい?」



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