運命の二人~白と黒の物語~
「タロ。ごめんね。私…」


涙が止まらない。


「凛々。こっちをみて。」


タロの呼びかけに、凛々は顔をあげる。


「答えはもうでてるでしょ?」


言われた言葉に驚き、目を見張る。


「凛々は今まで、同じ質問をされて答えに迷ったことなかったよ。」


どこか寂しそうな口調にはっとなった。


……そうだ。私、今までタロと地球に、家族の元に帰りたいって、そればかり思っていた筈なのに。


何故今は迷うんだろう。帰りたい気持ちは変わらないのに。


口からその言葉が出てこない。


「タロ。私……。」


涙がまた溢れてきた。



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