運命の二人~白と黒の物語~
リリー・ルゥは母親が大好きだったこと。その母が天上界にひどい仕打ちを受けた事で、復習を誓ったこと。


地球と契約をして、“どこにも存在しない者”になったこと。


…その契約で凛々が生まれたこと…


順をおって、話していった。


ジャスティスは時折驚いた表情をしていたが、途中で言葉を挟むことはなく、黙って話を聞いていた。


「…リリー・ルゥは私に地球へ帰る様子がないから、凄く怒ってた。“自分でやる”って。多分ジェットが会ったのは、リリー・ルゥだと思う。
リリー・ルゥが何か言ったんでしょう?それで貴方は傷ついて。
…でも、リリー・ルゥの事、許してあげて。
とても大切な人を失って、大切な思い出も捨てて。ずっと辛かったと思うから…。」


そう言うと、ベットから身体を起こして、ジャスティスを見つめた。


「そして私も貴方に謝らなくては。
…ごめんなさい。色々してくれたけど、私は、リリー・ルゥじゃないの。リリーの記憶の一部だった。タロが全部知ってて、教えてくれたの。」


凛々はここで言葉を切った。


ジャスティスに話をしていくうちに、自分がここにいていい存在なのか、分からなくなってしまった。


…偽者なのに。


私は、ジェットの側にいていいのかな。





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